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2023 年度 実施状況報告書

終末期がん患者の尊厳回復と遺族ケアの補助ツールThis is Me!シートの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K10789
研究機関特定非営利活動法人JORTC

研究代表者

羽多野 裕  特定非営利活動法人JORTC, 臨床研究部門, 外来研究員 (30516034)

研究分担者 前田 一石  特定非営利活動法人JORTC, 臨床研究部門, 外来研究員 (70706639)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード終末期ケア / 悲嘆 / good death
研究実績の概要

昨年度に引き続き症例集積を継続し2023年10月で単施設のパイロット試験を完了した。解析結果をまとめたものを論文化し2024年3月11日に国際英文誌に投稿した(2024年5月1日に査読結果が返され、再投稿に向けて修正再投稿準備中である(5月17日時点)。また、2024年6月14日15日に神戸で開催される第29回日本緩和医療学会学術大会にて研究結果についてポスター発表を行う予定である。

<結果の概要>
【方法】緩和ケア病棟に入院した進行がん患者の家族を対象に、患者自己紹介シートを以下の手順により作成(①同意の得られた家族にアンケート(患者ナラティブに 関する質問)への回答および患者の病前写真の提供を依頼。②アンケートの回答と写真をもとにパワーポイントにて患者の自己紹介シート(This is Me!シート)を作成。③作成したスライドをA4紙に印刷し病室の見やすい場所に掲示。)
【結果】リクルートされた患者家族59人中29人より参加同意が得られ21人が介入をうけた。死別3カ月後16人より回答を得た。参加家族の背景は平均年齢62歳,女性86%、患者の子供67%、死別前PHQ-9平均7.2。シートの満足度については独自に開発したスケール(「自己紹介シートの取り組みには満足している」「自己紹介シートは患者様らしさをよくあらわしていた」「元気だった時の患者様のことを医療者に知ってもらうことができた」等7つの質問について[7非常にそう思う]から[1全くそう思わない]までの7件法で質問)を使用した。死別3カ月後の遺族満足度は全ての質問で高く、75%以上が「非常にそう思う」「そう思う」と回答した。遺族の抑うつ・悲嘆は先行のJ-HOPE研究の結果と同等もしくはそれ以下であった(本研究:PHQ-9平均4.4,BGQ平均3.8、J-HOPE4:PHQ-9平均4.4,BGQ平均4.4、J-HOPE3:PHQ-9平均4.8,BGQ平均4.7)。担当看護師(n=12)の満足度も同様に高かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の影響も徐々に薄まり緩和ケア病棟での面会制限も緩和されたことでパイロット研究を完遂することができたが、初年度と2年目で生じた遅れが研究全体の進行に大きく影響している。

今後の研究の推進方策

パイロット研究の結果をふまえ現在対象群をもうけた多施設比較試験を計画中である。研究支援組織であるJORTCや臨床研究に携わる医師による指導、助言を得ながら準備を進めており次年度中の試験開始を予定している。

次年度使用額が生じた理由

計画の遅れにより、多施設研究のため必要なデータセンターへの委託費、論文執筆に関わる英文校正費などが未使用であったことが理由として挙げられる。次年度は単施設パイロット試験の結果を論文として発表する予定でありその際に必要経費が生じると考える。また、次年度より多施設比較試験実施にむけて進めていく計画であり、その運用に必要な経費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] コロナ禍における緩和ケア病棟での家族ケア 患者アルバム作成の取り組み2023

    • 著者名/発表者名
      羽多野 裕, 川越 裕子, 林 恵里子, 朴 琴順, 西島 薫, 亀井 千那
    • 学会等名
      第28回日本緩和医療学会学術大会

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公開日: 2024-12-25  

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