研究課題/領域番号 |
21K10827
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
足立 奈穂 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (50828374)
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研究分担者 |
服部 淳子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70233377)
岡崎 章 拓殖大学, 工学部, 教授 (40244975)
柴 邦代 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (40413306)
汲田 明美 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (80716738)
加藤 智子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 臨床准教授 (50625267)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 医療的ケア / セルフケア / 小児の行動 / ガイドライン / セルフケア手帳 / 医療的ケア児 |
研究実績の概要 |
本研究では、医療的ケア児のセルフケア行動とその特徴を解明する。 具体的には、①医療的ケア児の日常生活行動から、セルフケア行動を抽出し、行動の意味となる共通因子を明らかにする。②明らかにした共通因子を発達段階や医療的ケアに応じて、分類・構造化し、③セルフケア行動の特徴を解明する。さらに、④セルフケア獲得モデル及び個別の記録媒体を作成する。 これにより、長期に渡り健康管理が必要な医療的ケア児のセルフケア支援において、医療的ケア児を養育する家族や支援する専門職者の知識及び医療的ケアの技術力向上に依存する現状に限らず、医療的ケア児自身のセルフケア行動の獲得・育成という視点から検討することが可能になると思われる。医療的ケア児の特性に合わせたセルフケア支援ガイドライン作成に向け、基礎的資料として貢献することをめざす。 まず、①について日常生活において医療的ケア児はどのようなセルフケア行動を行っているのか明らかにするため、医療的ケアを受ける子どもを対象とした行動観察調査を計画した。調査では、医療的ケアを受ける子どもの日常生活行動を録画・観察し、セルフケア行動と共通因子について分析し、命名する。明らかにされたセルフケア行動と共通因子について、②の調査において妥当性を検証することとした。 2021年度は、①の行動観察調査を実施し、2022年度に分析・考察し、②の調査について準備をすすめる計画としていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は、医療的ケアを受ける0-18歳の子どもを対象に、日常生活場面の行動観察調査について計画を立案し、調査を実施した。 計画立案に際し、本研究申請時は参加観察法による調査を計画していた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大・対策のため、調査方法について研究者間で検討した。そこで、医療的ケア児及び養育する家族と非対面による調査方法とすることで、健康管理が必要な子どもへの対面による感染リスクも最小化できるものと考え、ビデオ撮影による非参加観察法へ変更している。 方法の一部変更に伴い調査に時間を要しているが、概ね当初のスケジュール通りに進展している状況である。
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今後の研究の推進方策 |
行動観察調査については、2022年7月末までに調査終了をめざす。調査結果より、医療的ケア児のセルフケア行動を抽出し、記述する。さらに、記述したセルフケア行動の意味づけを行い、行動の意味となる共通因子について2022年度末までに考察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大・対策に伴い、研究者会議および行動観察調査を非対面による方法へ変更した。その結果、対面を想定して計画した旅費の支出が不要となった。 2022年度は、本研究の中核となる医療的ケア児のセルフケア行動を分析・考察する予定としているため、検討する際に対面による会議が不可欠かつ重要となる。感染対策を徹底しながら対面による分析および検討会議実施に向けて、今年度分を次年度の旅費及び会議に係る消耗品に使用する予定としている。
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