研究課題/領域番号 |
21K10832
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
藤田 千春 杏林大学, 保健学部, 教授 (70383552)
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研究分担者 |
谷山 牧 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (40413166)
竹中 香名子 名古屋学芸大学, ヒューマンケア学部, 講師 (40733192)
小林 佳寛 杏林大学, 保健学部, 助教 (40881157)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 保育所看護職 / 教育 / 保育保健活動 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
基礎調査として文献検討と質的記述的研究を行った。文献検討では、保育所看護職の保育活動に関する国内文献の検討を行った。文献検索は医学中央雑誌WEBとCiNiiを用いて2014年から2023年迄の文献検索を行った。対象文献となったのは14文献であった。研究デザインは質的研究が多いことが分かった。子どもの保健活動については、「療養生活支援に関わるもの」、「情緒面等が気になる子に対する関わり」「疾病の予防・防止に関わるもの」「看護職が認知している保健活動の現状や学習ニーズ」に関するものがあった。また「保健職務上の困難感と対処」という職務遂行に関わるものもみられた。これらから健康な子どもの対応だけでなく、療養(慢性疾患)の関わりについても対応機会があった。慢性疾患に罹患している子どもの緊急時対応ができる様、教育支援の必要性が考えられた。この結果を小児保健協会学会へ2024年2月に演題提出した。2024年4月に採択された。 また、質的記述的研究として、保育所看護職が実践する保育保健活動のインタビュー調査を行った。対象者は9名であった。質的記述的に分析し7つの【コアカテゴリ】を抽出し、日本小児保健協会学会に演題提出し、2023年にポスター発表を行った。結果を俯瞰すると十分に理論的飽和に至ってない様相が見受けられたため、対象者を増やし、再分析している所である。 これらの結果から、保育園看護職が多く取り組んでいる内容とどのように行っているのかが明らかになり、一人職場で実践マニュアルが整っていない保育園に対する保健活動の資料につなげていけると考える。質的研究を分析後投稿していきたいと思っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
私が研究費を受給した年度の翌年に、類似する調査報告があったので、そことのすみわけをするための研究計画を検討していた。同じ内容にならない様に明らかにするものを再検討した。聞き取り調査をする中で保育園看護職が専門性を発揮するには保育士(園長)との協働が大切だと伺う機会があり、当初の予定よりも1つ多く調査を行いたい(倫理審査は承認されたので間もなく行う予定)。質的調査はコロナ禍での実施であったため、感染予防ということで対象者がなかなか得られなかった。 またその後、デルファイ調査も行う予定であるが、調査対象者を探している所である為、まだ時間を要する。
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今後の研究の推進方策 |
質的研究は、分析を済ませて保健系の学術誌に投稿する。また、保育園看護職と保育園長との協働のインタビュー調査に夏から入り、秋には保育園看護職の実践内容の明確化についてデルファイ調査と、保育園看護職を募って勉強会実施及びその評価を行いたい。 近年の家族や子どもの健康事情をふまえた保育園看護職の保健活動はどのあたりに焦点を当てるかや、キャリアを積んだ看護職による工夫が含まれた支援内容を明確化していきたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画を再考していたのと、調査がコロナ禍で滞った為、予定の調査と分析が後ろにずれこんでしまったため、予定使用額を次年度に使用する予定となった。 次年度で必要とする調査を遂行するため、2023年度使用予定の研究費を充てさせて頂きたいと考える。
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