研究課題/領域番号 |
21K10880
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
下嶽 ユキ 高知大学, 医学部, 客員准教授 (40746880)
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研究分担者 |
菅沼 成文 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 教授 (50313747)
下元 理恵 高知大学, 教育研究部医療学系看護学部門, 講師 (60553500)
南 まりな 高知大学, 医学部, 特任研究員 (90625013)
小森 香 高知大学, 医学部, 特任助教 (90769647)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ヨード欠乏 / 甲状腺低下症 / カンボジア / 栄養不良 / 精神神経発達 / 食品分類表 |
研究実績の概要 |
本研究はカンボジアのメコン川の中州に暮らす子どもを対象に、尿中ヨード値及び日ごろ摂取している食事との関連を解析し、ヨード不足とコース立方体検査から精神神経発達及び発育(身長/体重・握力)の関連性を調査することを目的に、2021年8月31日~9月9日迄実施した。対象児童6歳から12歳の300名(3名同意撤回:引っ越し、両親の離婚)が参加した。コロナ禍において感染状況を鑑みながら、ビザ申請では2週間猶予ありその間は必要書類の発行、カンボジア外務省提出の書類作成などの指導が入り日本側とカンボジアカウンターパートが同時に動き書類を提出したことから2週間後に許可が下りカンボジア入りが可能となった。2021年8月17日カンボジアに入国するが2週間の隔離期間があった。研究者の隔離期間に現地のカウンタパートはクラチェ州、コツ・チュレイン島に入り、対象児の親子に調査のオリエンテーションを実施し同意書及びアンケート調査を実施した。その際食事摂取記録表を300名に一人7枚配布した。研究者が隔離期間を終えた後にはカウンタパートと島へ向かい、約10日間余りかけて尿検査、身体計測、握力測定、精神神経発達検査を実施した。尿中ヨード検査はカンボジアの検査会社に提出し3か月後に検査結果を受け取った。現在は検査の実施方法について問い合わせを行っているところである。食事摂取記録表は297名分をカンボジアから持参し約2000枚以上の記録をカンボジア語から英語(カンボジアで済ませ)→日本語に翻訳することができた。現在は食品分類を表1-6に分類しているところである。今後は食品に含まれるヨウ素値を算出する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2021年年度の計画は調査対象児150名を予定していた。しかし昨今、コロナウイルス感染症の感染状況の見通しが立たないことを懸念し、カンボジアでの調査を予約制で実施することで大幅な計画の前倒しが可能となり、2022年実施予定の対象児150名を含め1年間で300名の調査を実施できるように計画を変更した。カンボジア実施調査におけるビザ申請(滞在期間3カ月)も取得でき調査の見通しが立ったことで一機に調査を進めていくことができた。実質的にはカンボジアでの隔離期間2週間、調査実施期間10日間、帰国後の隔離期間2週間を含めても調査期間は充分あり2年分の調査を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
調査以降、カンボジアの検査会社よりヨード値検査データの収集、1週間分の食事記録(2000枚以上)をカンボジア語から英語→日本語に翻訳し食品分類Ⅰ~Ⅵに表を作成している段階である。食品分類を作成ができたら今後は食品中に含まれるヨード値を算出する予定である。これらのデータ収集と同時に調査実施方法をまとめ、過去5年~10年分の論文レビューを行い論文作成の準備に入る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度の残額157,786円が生じた理由として、カンボジア検査会社へ尿中ヨード値297検体を依頼した。検体数が多かったことで10%のデスカウントがあった。今年度はその残額は共同研究者との打ち合わせのための費用とする予定である。
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