研究課題/領域番号 |
21K10910
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小澤 未緒 広島大学, 医系科学研究科(保), 准教授 (80611318)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | NICU / 継続教育 / 看護師 / 新生児 / 痛み / eラーニング |
研究実績の概要 |
2023年度は、e-lerning教材を病棟単位で1年間導入した後の量的データの収集とインタビュー調査を行った。調査時の共同研究機関15施設のNICU病床数は計147床、GCU病床数計132床、NICU看護師数計366名、GCU看護師数計170名であった。 1.量的データ 痛みのケアの実施率「疼痛アセスメントを実施した割合」「非薬理的緩和法を実施した割合」について、ITシステム(新生児の痛みのケア改善のためのデータベース)を用いてデータ収集を行った。実施率を算出したデータ収集日の入院患者合計数は172名で、37週以上の気管挿管なしの新生児が56.4%、29~36週の気管挿管をしていない早産児が32.6%を占めた。また実施された処置総数は164回で、このうち足底穿刺が67.7%、静脈穿刺が27.4%を占めていた。また、痛みのケア基盤としての組織的変化を把握するため、痛みの測定ツールの導入状況、電子カルテへの痛みのケアの記録書式、疼痛管理手順の作成状況についてITシステム(同上)を用いてデータ収集を行った。 2.インタビュー調査 共同研究機関に所属し、e-learningで学習したNICU看護師約25名にインタビュー調査を実施した(11機関,1施設あたり1~4名)。インタビューは、オンライン会議システムもしくは対面で、1人当たり30~60分行った。聞き取りの内容は、eラーニングによる看護師の継続教育の効果として、看護師自身の知識や行動の変化があったかなどの個人への影響のほかに、病棟全体での痛みのケアの取り組みの変化などの組織への影響についてであった。来年度の分析に向けて、全ての音声データの文字起こしを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
約20名の研究協力者が得られたことにより、当初の計画通りインタビュー調査が実施できたため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は下記1)2)の内容を予定している。 1)これまでに得られた量的データと質的データの解析 2)結果について国内外の学術集会や学術誌にて公表
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査がすべてオンラインで行われたため、旅費および宿泊費が生じなかった。また、所属機関が実施する2023年度研究支援員制度(文部科学省科学技術人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」におけるダイバーシティ研究環境整備強化の取組として,学内研究者の研究とライフイベントの両立を目的とした制度)に採択されたため、本研究経費で支払う予定の人件費の一部が少なくなった。さらに購入予定としていたデスクチップ型PCの購入を見合わせたため、次年度使用額が生じた。繰越金は次年度に物品費や人件費に合算し使用する。
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