研究課題/領域番号 |
21K10948
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
西里 真澄 岩手医科大学, 看護学部, 講師 (30752274)
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研究分担者 |
蛎崎 奈津子 岩手医科大学, 看護学部, 教授 (80322337)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 防災リテラシ― / 妊娠期 / 防災教育 |
研究実績の概要 |
本研究では、母子保健行政や産婦人科医療機関における妊婦への防災教育の現状と課題をもとに、妊娠期の防災リテラシーの向上を目指した尺度開発とそれに連動した防災教育プログラムを開発、実践を行い評価方法の構築を図ることを目的としているが、COVID-19の感染拡大に伴い計画の修正を余儀なくされたため、STEP3-Bである「妊婦の防災教育に関わる保健師・助産師などを対象とした指導力向上に向けたプログラム案の作成」から着手した。 防災教育の実践においては、支援者が「災害を理解」し「妊婦のハザードリスクを認知」することが基盤であるため、母子保健領域の支援者を対象とした防災教育の媒体を収集したが、そのほとんどは乳幼児の子育て期に対するハザードリスクと備えであった。また、妊娠期のハザードリスクと支援は、妊娠全期間を対象としており、妊娠各期で生じるリスクに対応するものではなかった。そのため、「ハザードリスクを認知する」以前に防災対策を敬遠したり、あきらめることが考えられた。さらに、母子保健領域における防災・災害の先行研究は、「地震災害」を対象とした研究が主であり、近年、激甚化している気象災害に対する視点は乏しいことがわかった。気象災害に対する妊婦のハザードリスクの考察は重要である。 これらの課題をもとに、妊娠各期と気象災害におけるハザードリスクを検討し、防災教育にあたる指導者を対象とした「災害理解」と「妊婦のハザードリスク認知」のための教育媒体(資料)案を作成した。今後はその精選を行うとともに、妊婦に対しては「リスクの認知」にむけた講座の企画を作成し、実践に向けた検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
初年度である2021年度は、STEP1として岩手県内全市町村の防災担当課、母子保健担当課、子育て支援センター、産科医療機関を対象とした実態調査を実施する計画であったが、COVID-19の感染拡大に伴い、対象となる機関が感染対策やワクチン接種などで多忙を極めていたため調査を控えた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に予定していたSTEP2は、STEP1の調査をもとに行うヒアリングであるため、COVID-19の収束状況をみながらSTEP1、STEP2を実施する。8月までを目途に感染拡大に関わる状況が改善しない場合は、調査対象の限定や対象への負担が少ない方法を検討し、2022年度内にSTEP1の調査を完了する予定である。 先に着手したSTEP3-B「妊婦の防災教育に関わる保健師・助産師などを対象とした指導力向上に向けたプログラム案の作成」においては、作成した媒体のブラッシュアップを重ねると共に、効果的な活用方法の検討・実践・評価を繰り返しステップを進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度である2021年度は、STEP1として岩手県内全市町村の防災担当課、母子保健担当課、子育て支援センター、産科医療機関を対象とした実態調査を実施する計画であったが、COVID-19の感染拡大に伴い、対象となる機関が感染対策やワクチン接種などで多忙を極めていたため調査を控えた。 調査を実施しなかったことからデータ管理と分析に用いるパソコンや解析ソフトの購入を見送った。また、調査結果に基づき実施する計画であったヒアリングが出来なかったため、旅費とテープ起こし、データ入力に関わる人件費は執行しなかった。 COVID-19の収束状況をみながらSTEP1、STEP2を実施予定であるが、8月までを目途に感染拡大に関わる状況が改善しない場合は、調査対象の限定や対象への負担が少ない方法を検討し、2022年度内にSTEP1の調査を完了し予算を執行する。
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