研究課題/領域番号 |
21K11067
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研究機関 | 四天王寺大学 |
研究代表者 |
小林 裕美 四天王寺大学, 看護学部, 教授 (50369089)
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研究分担者 |
乗越 千枝 四天王寺大学, 看護学部, 教授 (70389500)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 訪問看護管理者 / 訪問看護導入期 / 臨床判断 / 質的統合法 |
研究実績の概要 |
わが国で推進される在宅医療の中で、その数が漸増する訪問看護ステーションは、量の拡大とともに看護サービスの質の低下が懸念されている。そこで、熟練の訪問看護管理者が訪問看護を導入する際の実践と判断がその後の看護サービスの質を方向付けていることに着目した。そこで本研究は、訪問看護導入期におけるエキスパートレベルの看護師の臨床判断を抽出し、実践で適用可能なガイドとして可視化することを目的としている。 令和3年度は、研究1と位置づけている質的研究を計画し、研究倫理審査を受け、データ収集を開始した。研究1の目的は、熟練の訪問看護管理者が、訪問看護導入期にどのように在宅療養生活を見立てた上で支援しているかについての臨床判断を抽出し、構造化することである。研究参加者は 熟練の訪問看護管理者で、訪問看護事業所の管理者として10年以上経験があり、地域活動にも幅広く実績を持つ看護師とした。具体的なデータ収集方法としては、研究参加者が訪問看護ステーションの新規利用者の退院支援から初回訪問の場、つまり訪問看護導入期の場面を研究者が参加観察し、研究参加者の言動の根拠や判断などをインタビューするものである。分析は質的統合法(KJ法)を用いる計画としている。現在データ収集を進めているが、脳血管障害の後遺症で3年ぶりに自宅に戻った事例、ストマ造設後の事例、がん末期でありながら精神疾患を持つ事例などである。しかしデータ収集は、参加観察を伴ったインタビューのため、新型コロナ感染症の流行状況を見ながら、感染拡大状況が悪くない時期を見計らって、研究参加者や研究協力者(訪問看護利用者と家族)に負担がかからないように留意して行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、研究1(質的研究)のデータ収集を進めているが、参加観察を伴うデータ取集であり、研究協力者の自宅に訪問することもあるため、新型コロナ感染症の流行状況に留意して行っている。そのため、データ収集は慎重に進めており、その点を考慮して同時にデータ分析を並行して行うことに変更した。しかし、全体としては概ね計画どおりのため、順調に進行していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
R4年度は前年度にひきつづき、研究1(質的研究)のデータ収集を行う。具体的には、研究参加者が行う訪問看護導入期の利用者と家族への支援について、参加観察とインタビューを実施する。なるべく様々な事例の訪問看護導入期の場面を収集したいと考えている。収集したデータは、質的統合法(KJ法)を用いて、事例毎の個別分析を行う。個別分析により、各事例における訪問看護導入期の臨床判断の内容を抽出する。個別分析の成果については順次、学術集会の機会に公表したいと考えている。本研究における研究1(質的研究)の成果がまとまった時点で、その成果に基づいて研究2を進める。研究2は、研究1の成果から導かれた臨床判断の内容を基にした重要度の認識と実際の実践の状況を全国調査により明らかにすることを目的とする量的研究である。R4年度は研究2の計画作成までの実施を目標としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、新型コロナ感染症の感染拡大が予想に反して収まらず、予定していた旅費を全く使用することができなかったため、旅費分に相当する額が残額となった。次年度の感染状況は予測できないが、データ収集および研究成果発表等で可能であれば旅費を使用する予定である。また、データ整理の人件費等を有効に活用して研究を効率的に使用する計画をしている。
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