研究課題/領域番号 |
21K11136
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田中 浩二 金沢大学, 保健学系, 教授 (40507373)
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研究分担者 |
長山 豊 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (10636062)
長田 恭子 金沢大学, 保健学系, 助教 (60345634)
池内 里美 金沢大学, 保健学系, 助教 (30727475)
岡本 理恵 金沢大学, 保健学系, 准教授 (50303285)
表 志津子 金沢大学, 保健学系, 教授 (10320904)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自殺予防 / プライマリーヘルスケア |
研究実績の概要 |
「ハイリスクアプローチ基盤の地域支援者向け自殺予防教育プログラム」を開発するための基盤知識として、自治体で保健師および精神保健福祉士が実践している自殺予防対策の実態について質的記述的に分析した。その結果、11のサブテーマと3つのテーマが明らかとなった。テーマ1【発見の機会】は、サブテーマ<サービスへのアクセシビリティを高める><情報共有><コミュニティづくり><ライフサイクルを通した把握>で構成されていた。テーマ2【こころの扉を開く】は、サブテーマ<こころに届くチャンネルの探求><異なる目的からのアプローチ><根気強い訪問>で構成されていた。テーマ3【リスクマネジメント】は、サブテーマ<現実生活の苦悩の理解と対処><精神科治療への橋渡し><危機介入><見守り体制の構築>で構成されていた。本研究結果は、自殺予防に焦点を当てたダイレクトなケアのみならず、<サービスへのアクセシビリティを高める><コミュニティづくり><ライフサイクルを通した把握><異なる目的からのアプローチ>などのような日常的な視点を含むホリスティックなケアのあり方を提示しており、スクリーニングや介入が難しいコミュニティでの自殺リスク者支援の手がかりを導き出すことができた。これらの結果は、プライマリーケアの場で、住民の視点でヘルスケアを担う専門職の独自で専門性の高い視点から得られたのもであると考えられた。今後は、本分析で得られた結果をもとに、自治体の専門職向けの自殺予防教育プログラムを開発し、保健師や精神保健福祉士などに教育を実施したうえで、プログラムの評価・改善を行い、自治体での自殺対策に貢献できるよう、自治体と連携しながら研究を展開していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教育や管理運営のエフォートの所要と質的分析の進捗状況によって、今年度予定していた全国の自治体での実態調査(質的分析結果に基づく質問紙調査)ができなかった。しかし、質的分析に時間をかけたことによって、質問紙調査の項目を明確化することができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在、質的分析は修了しているため、令和5年度は質問紙調査と教育プログラムの開発を同時に進めていき、年度内に自治体での専門職への教育を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
英文の校正および質問紙の作成のために研究費を確保していたが、年度末までの使用が間に合わなかったため、次年度使用額が発生した。次年度は、繰越金を英文の校正ならびに質問紙の作成およびデータ処理のために使用する。
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