研究課題/領域番号 |
21K11270
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
斎藤 俊輔 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (30600126)
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研究分担者 |
中島 敏明 獨協医科大学, 医学部, 特任教授 (50227790)
八木 博 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (70296177)
福田 宏嗣 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70526269)
柴崎 郁子 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (80438689)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 加速度トレーニング / 心不全 / 血管内皮機能 / 心臓リハビリテーション |
研究実績の概要 |
現在研究実績としては、加速度トレーニングのための機器を心臓リハビリテーション室及び一般病棟に導入した。開心術を施行した患者を対象に加速度トレーニングを行っている。現時点で加速度トレーニング対象群及び一般の心臓リハビリテーション群それぞれ40名程度を施行た。現時点では加速度トレーニング施行に伴う有害事象の出現は認めない。 初期の検討項目として、安全性並びにSPPB(Short Physical Performance Battery)を用いた身体機能評価を行っている。SPPBは高齢者の下肢機能評価を行う方法としてNational Institute on Agingにより開発されEuropean Working Group on Sarcopeniaによるサルコペニアの診断基準の一つとして用いられている指標である。現状でのデータ解析では加速度トレーニング群と通常心臓リハビリ群でのSPPBのスコアの比較では明らかな有意差を認めてはおりませんが、通常の心臓リハビリテーションに対する加速度トレーニングの非劣勢及び安全性は確認できている。 また血管内皮機能に関しては採血によってIntracellular adhesion molecule-1(ICAM-1)ならびにVascular cell adhesion molecule-1(VCAM-1)を測定しており、加速度トレーニングにおける血管内皮機能の改善の傾向を確認している。 加速度トレーニングを外来まで施行できた症例に関してはCT検査による大腿四頭筋部分の筋量測定を行っている。現時点では外来まで進んでいる症例が少数であり通常の心臓リハビリテーション群との比較検討まではできていないが、確実な大腿四頭筋部分の筋量増加を認めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当院における人工心肺を使用した開心術後には全例で心臓リハビリテーションを施行しているため、症例数は順調に増加している。また、心臓リハビリテーションを実際に行う理学療法士や看護師などの各種メディカルスタッフの協力によりスムーズに加速度トレーニングを導入、実施ができていることも順調に研究が進んでいる要因と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
現行の研究課程で加速度トレーニングの安全性並びに通常心臓リハビリテーションに対する有効性の非劣勢は確認できていると考えている。現状では加速度トレーニングが通常の心臓リハビリテーションに比べて血管内皮機能を改善させ、身体機能の改善が得られやすいといった傾向が認められている。現状のペースで順調に症例数が増えていくことで傾向から統計学的有意差が認められるようになると思われる。 当院においての人工心肺を用いた開心術の症例数はCOVID-19の流行下ではあるが順調に増加傾向となっており、症例数の確保にも不安はない。 約40例の症例を経験し加速度トレーニングを行うことにもだいぶ習熟してきている。今後も各種メディカルスタッフとの協力の下、スムーズに加速度トレーニングを各患者さんに導入して進めていくことが研究推進における重要な要素と考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在、対象患者のリクルートメントを継続して行っており、また、治療・リハビリテーションの進行に伴い、外注の血液検査を随時執行している。次年度も、これら検査に関わる諸費用が発生する予定であり、また、対象患者の増加に伴いリハビリテーション用機器の追加購入が必要になるものと考えている。
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