我々は、非侵襲的なMRスペクトロスコピーを用いて骨格筋における脂肪酸含有率測定方法を確立し、心不全患者におけるサルコペニアを防ぐ栄養療法を確立しようとした。骨格筋の脂肪化はMRIによるT1,T2強調画像にて高信号として検出できるが、我々は、まずMRスペクトロスコピーで脂質のピーク値により定量化することで、骨格筋の断面積よりも感度よくサルコペニアを同定できる方法を確立した。MRスペクトロスコピーを用いた解析により、不飽和脂肪酸がサルコペニアの治療標的であることが明らかとなった。これらの成果は、今後サルコペニア特に骨格筋の異化が増強している心不全患者における新たな栄養療法に寄与すると思われる。
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