暑熱環境下において体温が上昇すると、高体温誘因の過換気反応が見られる。この過換気によって動脈血中二酸化炭素分圧(PaCO2)が低下し、脳血管収縮による脳血流の低下が起こり、これが熱中症の一因となる。本研究は、女性を対象として、時刻および性周期の違いが体温上昇時の二酸化炭素に対する脳血流反応に及ぼす影響を検討した。その結果、1)女性においては男性と異なり、安静加温時における二酸化炭素に対する脳血流反応は時刻の影響を受けないこと、2)安静加温時のPaCO2低下に対する脳血管の収縮反応は性周期(卵胞期および黄体期)の影響を受けることが示唆された。
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