これまで毎日のように投球を行なっている選手の肩周囲へダメージの有無を示す測定評価をしている報告は散見されていなかった。そこで対象者を実際の現役野球投手にし、投球後に行う各種クールダウン後の肩周囲の可動域や筋力と投球パフォーマンスに加えて生化学的検査を実施してアイシングの有効性を検証した。本研究によって普段から投球を繰り返している投手の場合、通常の強度での投球数であれば、肩周囲への過度な炎症は発生しておらず、肩周囲へのアイシングの実施が炎症反応を抑制するとは限らないことが明らかにしたことは、投球後に実施するアイシングの是非を検討する際の学術的知見の一助になったと言える。
|