研究課題/領域番号 |
21K11371
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
中川 匠 帝京大学, 医学部, 教授 (90338385)
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研究分担者 |
宮本 亘 帝京大学, 医学部, 講師 (30437553)
笹原 潤 帝京大学, 医療技術学部, 准教授 (70527465)
安井 洋一 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80527466)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 投球障害 / 投球数 / 肩甲骨位置 / 学童期投手 |
研究実績の概要 |
本研究では投手の投球傷害の要因とされている肩甲骨位置が投球数を重ねるごとに変化するか否か、肩甲骨位置が変化した場合にどの身体的パラメーターが変化するのかを明らかにするため、少年軟式野球チームに所属する学童期の投手(5年生、6年生)を対象としデータ収集をおこなった。2023年1月から2024年2月までに参加者15名のデータ収集が実施でき、その後解析をおこなった。 【方法】はじめに参加者背景(身長、体重、野球歴、投手歴、投球側、投球方法、肘・肩関節外傷歴)を聴取した。その後、投球間距離は全日本軟式野球連盟の規定に従い16mとし、動作解析施設内に設置したマウンドから捕手に向かって合計70球投球をおこなった。測定項目および測定のタイミングは、球の球速(km/hr)、回転数(rpm)、ジャイロ角(°)はRapsodo PICHING(Rapsodo Japan)を用い、これらは初球から全球計測した。身体的データ(肩甲骨位置、投球側上肢の疲労度、張り、唾液アミラーゼ値、指ピンチ力、筋硬度、各関節の可動域)は、投球開始前と投球10球ごとに測定した。 【統計解析】球のデータは10球ごとの平均値を用い、身体的データは10球ごとの実測値を用いた。統計解析にはR(ver4.3.0)を用いた。線形混合モデルを適用して投球数が増えると肩甲骨位置や他の測定項目が変化するのか、またどの参加者背景がどの測定項目に影響を与えるのか解析をおこなった。 【結果】肩甲骨位置、球速、回転数は投球数の増加に伴い有意に低下した。一方、投球側上肢の疲労度、張り、自覚的運動強度、前腕の筋硬度、球のジャイロ角は有意に増加した。また、上腕の筋硬度、唾液アミラーゼ値、指ピンチ力、各関節可動域は有意な変化がみられなかった。参加者背景として肘外傷歴のある参加者は肩甲骨位置が低かった。 【結語】投球数の増加により肩甲骨位置は低下した。
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