本研究課題では、まず基礎的なデータ収集を目的とし、炭酸泉の水温や濃度、皮膚温の違いによって皮膚血流量がどのように変わるかを検討し、水温を低下させすぎると皮膚血管拡張が起こらないことや水温が低くても皮膚温が高い状態で浸漬させた場合には皮膚血管拡張が維持されることが明らかとなった。また、実際の現場で実施しやすい冷却方法として下肢浸漬の効果を検討した結果、冷却面積を大きくしないと炭酸泉による冷却効果が期待できないことが明らかとなった。これらのことから、炭酸泉による身体冷却効果を得るためには、皮膚温が高い状態で冷却を開始し、冷却面積を大きくすることが重要であることが示唆された。
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