研究課題
基盤研究(C)
肝星細胞はビタミンA貯蔵細胞であると同時に、肝線維化の責任細胞でもある。アルコール摂取やウイルス感染などの刺激によって肝星細胞は活性化し、ビタミンA脂質滴を失うと共に、線維化の原因となるコラーゲンを過剰に合成する細胞に変化する。この際、ビタミンAの生理作用発現を担うレチノイン酸受容体が、活性化肝星細胞の細胞質においてスペックル状に分布するが、このレチノイン酸受容体と共局在する細胞小器官を同定した。
分子細胞生物学
アルコール性肝炎やウイルス性肝炎においては、肝線維化、肝硬変、肝癌と病態が進行していくが、線維化した臓器を回復させる有効な治療法はいまだ開発されていない。肝線維化の責任細胞である肝星細胞において、ビタミンAの生理作用を司るレチノイン酸受容体と局在を共にする細胞小器官を見出した。これらの知見を元に、レチノイン酸受容体の機能を調節することで、肝線維化を制御する可能性が示唆された。