本研究では、栄養成分との複数同時摂取がケルセチンの代謝変換に及ぼす影響を検討するとともに、ケルセチンの代謝変換物の機能性を評価した。栄養成分としてビタミンEとセルロースを用いた。その結果、血漿中のケルセチン抱合代謝物は、ケルセチン単独投与時に比べて、ビタミンEやセルロースとの同時投与により増減したものの、それらの代謝物パターンに大きな変化は見られなかった。次に、ケルセチン抱合代謝物の抗酸化能を評価した。その結果、一部のケルセチン抱合代謝物は抗酸化酵素遺伝子を誘導した。以上の結果から、ケルセチンは摂取後すみやかに抱合代謝されるが、その抱合代謝物が生体内で抗酸化作用を発揮していることが示唆された。
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