研究課題/領域番号 |
21K11688
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
安井 正佐也 常葉大学, 健康プロデュース学部, 准教授 (10723695)
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研究分担者 |
桐生 寿美子 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (70311529)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ミクログリア / 疼痛 / 疲労 / 反射弓 / 固有感覚ニューロン / 線維筋痛症 / ストレス / 筋痛性脳脊髄炎 |
研究成果の概要 |
線維筋痛症(FM)は筋骨格系の激しい痛みを主症状とする慢性難治性疾患である。ストレスにより発症・増悪するが発症メカニズムは不明である。FMモデル動物として室温と冷温を反復させる繰り返し寒冷ストレス(RCS)モデルがあり,本研究では過活動となった神経細胞を特異的にGFP標識するトランスジェニックマウスを用いてRCSモデルを作製した。その結果、筋肉を繋ぐ感覚神経と運動神経の反射弓に沿ってGFP標識が観察され,脊髄の反射弓に沿ってミクログリアが活性化していた。反射弓過活動の原因筋は足底内在筋であった。ミクログリアを一時的に除去できる薬剤(PLX3397)を投与したところ、疼痛行動が有意に抑制された。
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自由記述の分野 |
神経科学,解剖学,疼痛学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
線維筋痛症モデルマウスでは、継続した筋緊張が固有感覚ニューロンの過活動を介してミクログリアを活性化して疼痛の慢性化につながっていることが明らかになりました。この研究結果により、線維筋痛症や筋痛性脳脊髄炎などの類似疾患を取りまとめた機能性身体症候群に共通の症状として見られる慢性疼痛は、同じようなメカニズムで生じていることを示唆していると考えられます。したがって、機能性身体症候群の患者さんに共通に見られる慢性疼痛を和らげる治療には、脳や脊髄に存在するミクログリアを標的とすることが有効である他、一部の筋の過緊張を解除し固有感覚ニューロンの過活動抑制を標的とする新たな治療法が考えられます。
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