研究課題/領域番号 |
21K11704
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
隅田 有公子 高知県立大学, 健康栄養学部, 助教 (70781897)
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研究分担者 |
竹井 悠一郎 高知県立大学, 健康栄養学部, 准教授 (10711377)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 経腸栄養剤 / 濃厚流動食 / 増粘・ゲル化調整食品 / 物性 |
研究実績の概要 |
経口からの摂取、経管からの投与それぞれにおいて経腸栄養剤を増粘もしくは半固形化する試みがなされている。増粘もしくは半固形化することで、加齢や疾患に伴う摂食・嚥下障害、経管栄養の問題となる液体栄養剤症候群への対応が期待されている。しかし、経腸栄養剤の物性調整における特性や、その体内動態への影響は十分に解明されていない。 経管栄養を想定した高粘度の半固形化栄養剤の消化管移行や消化・吸収への影響を動物実験で検討した。胃瘻造設ラットを作製し、市販の増粘・ゲル化調整食品(増粘剤)3種(グァーガム系1種、キサンタンガム系1種、カラギナン混合キサンタンガム系1種)で粘度20,000mPa・sに調製した半固形化栄養剤を胃瘻から投与し、消化管移行の評価、消化・吸収の評価を行った。各種増粘剤で調製した半固形化栄養剤を胃瘻から投与したところ、半固形化による食道への逆流の抑制が確認された。しかし、グァーガム系増粘剤による半固形化では、食道への逆流を抑制できなかった。増粘剤の種類によって、食道への逆流の抑制効果は異なった。 そこで、各種増粘剤を用いた半固形化栄養剤の人工胃液中の物性変化を確認した。その際、胃酸分泌抑制薬を投与し胃内pHが上昇している患者も想定し、pHの違いによる物性変化への影響についても検討した。増粘剤の種類によって、また、人工胃液のpHによって、物性変化や人工胃液反応後の半固形化栄養剤の残渣量は異なっていた。残渣量は、キサンタンガム系増粘剤、カラギナン混合キサンタンガム系増粘剤、グァーガム系増粘剤の順に多かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究を遂行する過程で、実験方法の検討に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
経口からの摂取を想定した試験をin vitroおよびヒトでの試験にて行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究遅延による、実験使用物品費の減少等によって生じている。 今後、研究を遂行するにあたり必要となる。 次年度の予算に組み込み、次年度の経費と共に使用する予定である。
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