研究課題/領域番号 |
21K11788
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
川口 淳 佐賀大学, 医学部, 教授 (60389319)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 機能的脳画像解析 / ネットワーク解析 / スコアリング |
研究実績の概要 |
精神疾患領域などで安静時の脳機能を特徴付け,疾患の早期発見,病態の客観的評価,疾患サブタイプ分類などの研究が盛んに行われている.研究が盛んに行われている.その脳活動はfunctional MRI によって三次元に配置されたボクセル毎の時系列として測定される.本研究では,脳機能ネットワーク推定において,オリジナル手法として開発中のマルチブロック法を本研究で発展させた. 健常者と患者を含む複数の対象者において,一人あたり複数時点測定の時系列を有する機能的脳画像データから主成分分析の枠組みで各個人のネットワークスコアを推定し,このスコアを説明変数とするロジスティック回帰モデルによって複数の対象者から疾患診断確率を算出するための関係式におけるパラメータを統計学的に推定する方法を開発した. そのスコアは解剖学的に分類された各部位ペア毎の時系列間の相関,ネットワーク構造を考慮して階層化された.スコアを求める最適化の際にL1正則法を組み入れる事によって部位間の機能ネットワークを推定できる.また,推定の際には疾患情報との相関も考慮に入れる教師付推定法を採用した.開発された方法を数値実験により性能評価し,既存の方法より優位であることを示した. こうして新規患者に対して疾患診断確率を計算する方法が開発され,疾患の早期発見のために疾患の初期段階,もしくは未解明領域の被験者を対象とした実データ解析に役に立つ方法と言える.開発した方法をアルツハイマー病研究の実データに適用し既存法より優位であることと臨床的にも合理性のある結果を得ることができた.これらの成果をまとめ論文作成し投稿した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに論文投稿ができている.
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今後の研究の推進方策 |
計画通りに進めていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナで旅費と謝金が生じなかったため次年度使用額が生じた. 次年度は学会参加やセミナー開催によりこれらを使用する.
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