本年度は,脳画像解析において生物学的情報を維持しつつ不要なデータ変動を低減するバイアス補正方法のハーモナイゼーション法として用いられている統計解析手法についてまとめた.fMRIから得られる機能的接続性とネットワーク指標が機種間変動によってどの程度影響を受けるか,また各ハーモナイゼーション法でどのような挙動を示すかが調査されている.また,領域適応技術に着想を得た深層学習によるハーモナイゼーション法も提案されている.これは反復更新アプローチを用いて機種に依存しない特徴を作成すると同時に,関心のある主タスク(分類,回帰,セグメンテーション)のパフォーマンスを維持することで,機種の影響を低減することを目的としている.これら方法とマルチブロック法は関連があると考えられ,今後方法論の発展を行っていく.
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