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2023 年度 実施状況報告書

通信量削減と低遅延応答のための分散協調キャッシュサーバアーキテクチャに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K11805
研究機関電気通信大学

研究代表者

吉永 努  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (60210738)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード動画配信ネットワーク / 分散協調キャッシュ / デバイス間通信 / FPGA応用 / 低遅延処理 / モバイルエッジ処理 / マルチホップ通信 / 無線ネットワーク
研究実績の概要

2023年度は,ネットワークの動画配信サービスを対象として,以下の研究を実施した.
1.動画配信ネットワーク用の分散協調キャッシュの改善と評価
2022年度に提案したLBCA方式による分散協調キャッシュについて,実践的な環境を想定したシミュレーション実験を行い,無線通信の電波強度と通信データの再利用度を考慮したキャッシュ制御方式の改善を行った.予備的な評価により,LBCA方式は従来方式に比べてネットワーク混雑時に動画視聴が途切れてしまうユーザ数を減少できることを確認した.また,マルチホップのデバイス間通信をサポートするモバイル分散協調キャッシュについても検討し,現在評価を進めている.
2.FPGA搭載型キャッシュサーバの実装と評価
モバイルエッジ計算(MEC)サーバにFPGA搭載型キャッシュを応用する方式についての実装と評価を実施した.FPGA搭載型キャッシサーバは,ソフトウェアで実装したキャッシュサーバに比べて,キャッシュの応答時間を短縮することができる.キャッシサーバは,コンテンツ要求メッセージをネットワーク経由で受信し,それに応答する.FPGA搭載型キャッシサーバでは,コンテンツ要求メッセージはネットワークインタフェース(I/F)を実装したFPGAで受信してからメモリ(DRAM)に格納し,キャッシュされたコンテンツの検索処理を起動する.我々は,FPGA搭載型キャッシュサーバ処理の応答時間を低遅延化するため,ネットワークI/FとDRAM間のデータパス上にコンテンツ要求メッセージを監視するハードウェアモジュールを追加した.この改良により,FPGA搭載型キャッシュサーバ処理の応答時間が削減できることを実験的に確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2021年度と2022年度にコロナ禍の影響を受け,実験室での実験が一部滞ったことにより,進捗はやや遅れている.このため,2024年1月末に本研究課題の補助事業期間延長を申請して,2024年度の延長が承認された.

今後の研究の推進方策

本研究課題の2024年度への補助事業期間延長が承認されたので,2024年度は以下の通り実施する.
1.動画配信ネットワーク用の分散協調キャッシュの改善と評価
本研究課題で提案したLBCA方式による分散協調キャッシュについて,従来方式との比較が不十分であるため,種々の条件での幅広な比較評価を実施する.
2.FPGA搭載型キャッシュサーバの改善と評価
FPGA内に実装する専用ハードウェア設計を改良すると共に,種々のコンテンツ要求メッセージ到着パターンについての応答時間の評価を実施する.

次年度使用額が生じた理由

研究遂行に想定以上に時間を要したとの理由で,2024年度への補助事業期間延長申請を行い,それが承認されたため.
次年度の経費使途は,追加実験のための消耗品等に使用する予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Load-based Content Allocation Scheme for Realizing Efficient Mobile Cooperative Cache2023

    • 著者名/発表者名
      Taiki Akiba, Celimuge Wu and Tsutomu Yoshinaga
    • 雑誌名

      International Journal of Networking and Computing

      巻: 13, 2 ページ: 93-117

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] FPGAを用いたキャッシュサーバにおけるリクエスト処理の低遅延実装2024

    • 著者名/発表者名
      袁 天翊; 策力木格; 吉永努
    • 学会等名
      信学技報, vol. 123, no. 450, CPSY2023-41, pp. 18-23
  • [学会発表] モバイル分散協調キャッシュにおけるマルチホップD2D通信の活用2023

    • 著者名/発表者名
      宮原雅司; 秋場大暉; 萩原賢; WU Celimuge; 吉永努
    • 学会等名
      電子情報通信学会技術研究報告, vol.122, no.451, CPSY2022-37, pp.19-24

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公開日: 2024-12-25  

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