研究課題/領域番号 |
21K11838
|
研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
本田 晋也 南山大学, 理工学部, 教授 (20402406)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 仮想化 / 車載システム / ハイパーバイザ |
研究実績の概要 |
2021年度は研究実施項目のうち,(研究項目A)ハイパーバイザ技術,(研究項目C)デバイス/ミドルウェア共有技術 に関して実施した. (研究項目A)ハイパーバイザ技術 に関しては,車載制御システム向けのプロセッサが持つ仮想化支援機能を利用したハイパーバイザを実現した.実現にあたっては,車載サプライヤーの要望を獲得し,要求される機能を実現した.コンフィギュレーションのために専用のコンフィギュレーション記述を定義し,コンフィギュレーション記述からハイパーバイザの構成が記述されたC言語ファイルを生成するコンフィギュレータを実現した,利用範囲を広くするため,複数種類のコンパイラに対応した. (研究項目C)デバイス/ミドルウェア共有技術 に関しては,TCP/IPプロトコルスタックを共有する手法についての一次検討として,パーティショニングOS上での共有及びユーザーモードでの実行方法の検討と実現及び実装を行った.共有とユーザーモードでの実行は可能な限りTCP/IPプロトコルスタックのコアのコードを変更しない方針で実現した.この方針を実現するため,要求された処理を代行するPROXYタスクを用意し,各アプリケーションからPROXYタスクに要求を出し,PROXYタスクからオリジナルのAPIを呼び出す方式とした.設計した機構を実現し,通信時間を計測した.評価の結果,通信時間には影響のない範囲で実現できたことを確認した.また,ハイパーバイザでのTCP/IPプロトコルスタックを実行する環境を構築した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(研究項目A)ハイパーバイザ技術に関しては,ハイパーバイザを予定通り設計及び実装した. (研究項目C)デバイス/ミドルウェア共有技術 に関しては,一次実装としたパーティショニングOSでの共有とユーザーモード化を実現した.
|
今後の研究の推進方策 |
(研究項目A)ハイパーバイザ技術に関しては,R-Car S4と呼ばれる車載ゲートウェイ向けのSoCをサポートした上でオープンソースとして公開する予定である. (研究項目B)統合スケジューリングに関しては,(研究項目A)で実現したハイパーバイザをベースに一次検討と実装を行う予定である. (研究項目C)デバイス/ミドルウェア共有技術 に関しては,CANドライバの共有方法について検討及び実装を行う予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
購入を予定していた機材が半導体不足で購入できなかったため.2022年度に購入する.
|