アナウンサーと一般人の音声を用いて、音声の消失帯域幅を操作し、音韻修復現象が生じる程度を比較検討した。その結果、アナウンサー音声では250から4000 Hzの周波数帯域の情報を消失した場合でも音韻修復現象が生じた。加えて、音響特徴が高周波数帯域および広周波数帯域にわたる音素の音修復率が高いことがわかった。また、250 Hz以下の周波数帯域の消失が音韻修復に及ばす影響について検討したころ、基本周波数によって音韻修復の程度が影響されることが示唆された。従来研究では基本周波数は直接音韻の手がかりとはならないと考えられてきたが、断片的な音響特徴を統合する上で重要な役割を果たすことが示唆された。
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