研究課題/領域番号 |
21K12037
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
渡辺 祐子 東京電機大学, システムデザイン工学部, 講師 (20287444)
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研究分担者 |
平林 ルミ 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 学術研究員 (30726203)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 補聴援助システム / バイノーラル技術 / 聞き取り困難判定 |
研究実績の概要 |
“聞き取り困難児童”とは正常な聴力を有するが、授業等において主に教師の音声指示等が聞き取れない、内容が理解出来ない等の問題を抱える児童を指す。聴力に問題がないことから医療的な診断が難しく困難状況を把握するためにはアンケートヒアリング、その他様々なテストから推測しているのが現状である。そこで本研究では学校でも取り扱いが可能なタブレットを用い、また音環境の空間情報を取り入れることが可能なバイノーラル技術を採用した聞き取り困難の簡易スクリーニングシステムと聞き取り支援システムを開発することを目的としている。 2021年度は、コロナ禍で研究機関において人が参集することなどに対して様々な制限があり、評価システムのための環境音採取や被験者を用いた評価実験等の実施が困難であったため、研究計画の順番を変更し、物理計測を主とした課題項目に着手することとした。 具体的には、まず「課題2: 学校の室内音響指標とAPDの関係分析」において使用する室内音響の特性(インパルス応答)計測システムのアプリ開発と評価、並びにそれを用いたIRデータの収集を実施した。実際の音響計測のシーケンスに沿った遷移図検討とタブレットアプリのUI設計を行い、委託開発したプロトタイプアプリを用い、アプリの評価とIRデータ採取を実施した。また「課題3:聞き取り改善のための聴取支援システムの提案」の検討につかう収音の指向性が任意に変更できるマイクアレイシステムの基本仕様設計とプロトタイプ開発を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験等の実施に制限があったため当初の研究計画にあった被験者を用いた実験評価を取りやめ、研究計画の順番を変更し、まず物理特性の計測や聞き取り支援の音響システム開発の仕様設計とプロトタイプ開発を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、既に開発に着手した計測アプリや補聴支援システムのプロトタイプ版の評価と修正を進めると共に、「バイノーラル技術」を用い、研究計画の課題1である「雑音の空間的分布と特徴と聞き取り困難主訴の関係分析」について、雑音データ採取、心理実験を通して進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に計画していた被験者を用いた心理実験に用いる予定のタブレット、PC等の購入を次年度に回したことと実験の謝金使用がなかったため。これらは2022年度に使用を計画している。
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