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2023 年度 実施状況報告書

音響信号処理を用いた"聞き取り困難児童"の簡易評価・聴取支援システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K12037
研究機関東京電機大学

研究代表者

渡辺 祐子  東京電機大学, システムデザイン工学部, 講師 (20287444)

研究分担者 平林 ルミ  東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (30726203)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードLiD / バイノーラル / マルチトーカノイズ
研究実績の概要

聞き取り困難(LiD)の主訴の1つに雑音が空間的に存在する音環境(周りがザワザワした状態)により困難の重症度があがるといわれている。そこで,バイノーラル3D技術を用いて様々な方向から無相関な複数音声が到来する音環境を仮想的に作成しLiDのスクリーニングに有効であるか検証した。まず補聴器適合用音声CDから男女合計10種類の無意味文章を選定し,1)それらと頭部伝達関数(HRTF)をたたみ込むことで任意の方向から到来する無相関音声雑音を作成した。2)次にそれらのいくつかを組み合わせてバイノーラルマルチトーカノイズを作成した。3)聞き取り対象の音声(数唱)と2)のバイノーラル音声雑音を同時に受聴する雑音下音声聴取実験を実施し,単語了解度と,”音声の聞き取りにくさ”を評価させた。SN比は0,-4,-8dBとした。被験者は健常な聴力を有する大学生23名であった。その結果,次のことを確認した。
1)SN比は-8dBの時のみ,被験者間で差異がみられた。
2)モノラル分離聴では良好に聞き取れるが,音声,ならびに騒音呈示がバイノーラルになると聞き取り難さを訴える被験者が確認された。
3)バイノーラルマルチトーカノイズにおいて,雑音音声の個数を2,4,8,16個と変化させると,各々の音声が個別に認識され,その結果,聞き取りターゲットの音声が聞きにくくなる場合と,雑音音声が空間全体に広がっているように知覚される場合があった。
またマイクアレイ技術による補聴支援システムの開発については,マイクアレイシステムの基本構成を検討し,基礎データを採取した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

バイノーラル技術を用いたLiDの評価システム:プロトタイプ版を作成し,健常者を対象に実験を実施,動作に問題がないことを確認し,合わせて健常者による基準データも採取した。今後はLiD当事者等による実験をすすめることで,SN比や雑音音声の個数などのパラメータの最適化をすすめる。

今後の研究の推進方策

・LiD当事者による評価システムの検証,スクリーニングに必要な最適なパラメータの検討を進める。
・マイクアレイを用いた音声強調収音システムと,バイノーラル技術を用いた受聴者の特性に合わせた音声呈示方法の検討をすすめる

次年度使用額が生じた理由

コロナにより予定していた学会出張等を見送ったため

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 聞き取り困難(APD)評価システムの開発*― バイノーラル環境音を用いた聞き取り実験に関する一考察 ―2024

    • 著者名/発表者名
      渡邉祐子,泉澤彩
    • 学会等名
      日本音響学会2024年春季研究発表会
  • [学会発表] バイノーラルマルチトーカーノイズを用いた聞き取り困難評価システムの開発2024

    • 著者名/発表者名
      泉澤彩,渡邉祐子
    • 学会等名
      日本音響学会2024年春季研究発表会

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公開日: 2024-12-25  

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