一般的に、親が高齢になるほど妊娠率の低下や出生後の児の先天的なリスクが増大することが知られている。近年の出産年齢の高齢化に伴い先天的なリスクが増加する中、化学物質の影響による精子の異常は、さらなる妊娠率の低下と次世代の精子の異常および数の減少につながる。この状況下で、化学物質による精子形成異常の科学的裏付けによる立証が社会に与えるインパクトは大きい。本研究の成果は、DEHPの類似物質の影響の解明やヒトにおける検証を通して、安全な代替因子の開発と生殖細胞に影響を与える危険因子を軽減した環境づくりに貢献する。これは化学物質による精子数減少の予防、そして精子数減少に起因する不妊の予防につながる。
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