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2022 年度 実施状況報告書

将来の気候変化が大気エアロゾル中レジオネラ濃度の変動に及ぼす影響評価

研究課題

研究課題/領域番号 21K12270
研究機関麻布大学

研究代表者

大河内 由美子  麻布大学, 生命・環境科学部, 教授 (00391079)

研究分担者 高田 久美子  麻布大学, 生命・環境科学部, 特任助教 (60270906)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード気候変動 / レジオネラ属菌 / バイオエアロゾル / 気象条件
研究実績の概要

2022年度は,レジオネラ症疫学データ整理と気象因子との相関調査に着手するとともに,大気バイオエアロゾル捕集方法の検討を開始した。
感染症発生動向調査に収録された11年分の各週の国内感染者数を都道府県別に整理し,最も感染者数の多い東京都を対象として気象因子との関係を調べた。各年の感染者数は20~40週(6-9月)が顕著に高い周年変動を示した。一方,夏季に特有の気象因子として降雨量を選択し,レジオネラ報告週を基準として先行する3週間の積算降雨量との相関を評価したところ,明確な相関は確認されなかったものの,積算降雨量が一定レベル以上になると必ず複数のレジオネラ症発生が報告されていることを確認した。今後は他の都道府県にも検討対象を広げるとともに,降雨量以外の気象因子についても検討を加える。
一方,大気バイオエアロゾルの捕集ならびにレジオネラ属菌の検出を目的として,空中浮遊サンプラーを用いてキャンパス芝地でサンプリングを繰り返し実施し,①培地上への直接捕集,②湿潤フィルター上への捕集後に直接培養,③湿潤フィルター上への捕集後に酸処理+培養の3通りの方法を比較した。しかし,培地にレジオネラ選択培地であるGVPC培地を用いた場合には,細菌・真菌ともにほとんど検出されなかった。一方,培地にR2A培地を用いた場合には,湿潤フィルター捕集後に酸処理+培養を行うことで,真菌の増殖を抑制し,細菌類の選択的検出が可能であった。しかし,いずれの方法でもレジオネラ属菌様のコロニーは得られなかったため,今後は液体捕集法による大気バイオエアロゾルの捕集とレジオネラ属菌の検出に取り組む。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

サンプリング法の文献調査に基づき,液体捕集法によるバイオエアロゾル捕集を予定していたが,半導体不足のため発注していたサンプリングポンプの製造・納品が大幅に遅れて,年度内に入手できなかったため

今後の研究の推進方策

納品が遅れていたサンプリングポンプが4月中旬に納品されたため,今後は液体捕集法によるサンプリング条件・方法の確立を早急に進め,解析に必要なデータ集積に取り組む予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究計画の遅れの欄でも説明した通り,実験遂行に必要なサンプリングポンプがなかなか入手できず,納品が年度を越えてしまったため,サンプリングの検討が十分に進められなかったため。

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公開日: 2023-12-25  

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