Si,Al,Mgが1:1:8で構成される複合含水酸化物(SAM118)の陰イオン吸着量を向上させることを目的に,結晶性の異なるSAM118試料を合成してフッ化物イオン吸着量を評価した。含水酸化物スラリーのエージング温度を変えると,60℃以上で水酸化マグネシウムが結晶化し,高温ほどフッ化物イオン吸着量が減少した。したがって,SAM118のフッ化物イオン吸着には非晶質水酸化マグネシウムの存在が重要であることが明らかとなった。一方,SAM118試料を構成するハイドロタルサイト様化合物の層間への塩化物イオンとのイオン交換はフッ化物イオン吸着の吸着機構ではないことが示された。
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