研究課題/領域番号 |
21K12417
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研究機関 | 大阪成蹊大学 |
研究代表者 |
国枝 よしみ 大阪成蹊大学, 国際観光学部, 教授 (60465870)
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研究分担者 |
山本 昭二 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (80220466)
清水 苗穂子 阪南大学, 国際観光学部, 教授 (30441132)
稲本 恵子 共栄大学, 国際経営学部, 教授 (50778959)
中井 郷之 大阪成蹊短期大学, 観光学科, 准教授 (60551132)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | レジリエンス / COVID-19 / インバウンド / 観光マネジメント |
研究実績の概要 |
21年度の研究は、インバウンド需要拡大の恩恵が相対的に大きく、経済の活性化にも寄与している都市部:東京の浅草、大阪は心斎橋、遠隔地の温泉地2ヶ所を調査する予定であった。しかし、コロナ禍における制約があり、先行研究のレビューと近隣の調査に重点をおくこととした。以下は、実施内容と21年度の業績である。 1.浅草地区において聞き取り調査、イベント視察、役所での聞き取り調査を実施した。2.大阪市中央区の主な商店街での聞き取り調査を行った。ここでは複数の商店街と連絡を取り、丁寧な聞き取りと、大阪市のデータ等の収集、分析を行った。 3.心斎橋のデパートのインバウンド担当者と管理職とのインタビュー調査を行った。 21年度の研究実績としては、Weaver and Lawton(2016)Tourism Management.John Wiley and Sons Australia Ltd; 5th ed.(国枝よしみ監訳(2022)観光マネジメント,千倉書房;これは海外の著名な研究者の著作『Tourism Management』の翻訳を完成した。大学の教科書として活用されている学術書で、観光をグローバルな視点で学べる翻訳書である。次に、国枝よしみ(2022)「COVID-19による危機からのレジリエンス―レジリエンスに関する歴史的アプローチ―」, 大阪成蹊大学研究紀要第8号pp.37-47(査読付)で、先行研究のレビューをまとめ、論文としてを発表した。次に、21年度の商店街等の調査結果をまとめたものを論文として発表した; 中井郷之(2022)「新型コロナウィルス感染拡大による国内観光市場の動向」, 大阪成蹊短期大学研究紀要第19号, pp.97-106.がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
21年度は、コロナ禍にあり、出張が制限されていたことや調査地域へのアプローチも感染対策や密を回避するなど制約が求められたため、先行研究のレビューや論文の執筆等により時間を割くこととした。 現在では、第6波も収まりつつあることから、22年度は予定通り、調査を進めることとしたい。
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今後の研究の推進方策 |
22年度の研究は、前年度に実施予定であった調査を優先して実施する。温泉地として、兵庫県豊岡市(城崎温泉)、岐阜県高山市、下呂温泉を調査する。浅草では、賑わいが戻りつつあることから地域の状況を把握することに注力する。これらの地域において商店街組合、DMO関係者、自治体等へに対するインタビューを行う。次に長崎県松浦市と、秋田県鹿角市を調査する。双方とも10年以上前から着地型観光に取組み、前者は農山漁村であることを活かした農泊の修学旅行(団体)を受け入れ、後者は道の駅を中心に活動してきた地域である。近年はDMOを立上げインバウンド事業が軌道に乗ってきていた矢先であったこと、いずれも人口減少地域であり、回復に時間がかかると思われる。ここでは聞き取り調査を中心に実施する予定であるが、遠隔地であることから事前に調査票を送付して、現地の聞き取りも検討する。なお、各人の予定は以下ののとおりである。 大阪市内、長崎県松崎市、秋田県鹿角市、岐阜県高山市の事前調査及びフィールドワーク、21年度に行った浅草の調査を論文としてまとめ、学会発表する。観光とレジリエンス、COVID-19と温泉地の論文のレビューを行う。その後、城崎温泉にて自治体、温泉組合、DMOへのヒアリング調査を行い、その結果を論文として発表する。岐阜県下呂温泉平野屋へのヒアリングと、岐阜県庁での聞き取り調査および、昨年度の大阪市内の商店街での調査と発表を行う。なお、全体の進捗状況を俯瞰し、各調査内容を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本来なら、21年度は、インバウンド需要拡大の恩恵が相対的に大きく、経済の活性化にも寄与している都市部:東京の浅草、大阪は心斎橋に加えて、遠隔地の温泉地として、兵庫県豊岡市(城崎温泉)、岐阜県高山市を調査する予定であった。しかし、コロナ禍において、遠隔地への調査ができなかったため、近隣で可能な都市部の調査と先行研究レヴューに注力したため、次年度使用額が生じた。
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