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2023 年度 実施状況報告書

新型コロナウイルス感染症からのレジリエンスー地域間比較分析よりー

研究課題

研究課題/領域番号 21K12417
研究機関大阪成蹊大学

研究代表者

国枝 よしみ  大阪成蹊大学, 国際観光学部, 教授 (60465870)

研究分担者 山本 昭二  関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (80220466)
清水 苗穂子  阪南大学, 国際観光学部, 教授 (30441132)
稲本 恵子  共栄大学, 国際経営学部, 教授 (50778959)
中井 郷之  追手門学院大学, 地域創造学部, 准教授 (60551132)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードレジリエンス / COVID-19 / DMO / 目的地 / 地域活性化 / ブランドマネジメント / 関係人口
研究実績の概要

23年度は、全国各地のDMOを対象に定量調査を計画していたが、コロナ禍の影響がまだ残り、回復力を測ることは難しいと判断した。一方、国内では自然豊かで人の少ない農山村地域への旅行が静かな人気であったこと、全国各地に存在し地元の美しい環境を保護する活動を自治体、事業者、住民が取り組んでいる点に着目し、「日本の最も美しい村」連合を対象にし、コロナ禍からの回復等について自治体職員を対象に調査することとした。
調査内容は、小規模自治体がネットワークを構築して地域の魅力を発信しつつ、活性化を図る枠組として「日本の最も美しい村」が、機能しており、コロナ禍をどのように乗り越え、そのブランドマネジメントに取り組んできたかなどを質問した。
結果から、ブランドの認知に関しては、積極的な情報発信がまだ十分でない自治体では今後の取り組みが必要であった。観光客数に関しても、加盟後、増加につながっていない自治体が散見された。観光客の増加につげるためには、連合全体のPR強化が必要かもしれない。なぜなら情報発信を強化することがブランド認知に繋がりひいては観光客の増加に結びつくと期待されるからである。一方住民等による地域の環境美化活動の取り組みが行われ、地域の品質管理が維持されていたことは大変望ましい結果であった。また、住民の協力によるさまざまな活動やイベントが実施され、交流人口増加を目指していることが、ブランド資産の維持・保護にもつながっていた。このことは、観光地で旅行者を受け入れる自治体の参考になると考えられる。尚、訪問者に再訪を促すためにはアンケート等を実施して満足度を把握し、顧客ロイヤルティにつなげることが今後の課題として挙げられた。
共同研究者においても23年度は論文発表を行い、24年度には東京等で調査を再開する予定である。以上の結果をふまえてそれぞれが学会へ論文投稿を行うことにしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度当初、観光地における新型コロナウイルス(以下コロナという)からの回復状況を現地のフィールドワークとインタビューによる調査で開始する計画を立てていた。しかし、全国各地のDMOにおける観光客の入込状況、消費額等の指標を事前調査したところ22年度までの状況に留まっており回復状況の把握は24年度に実施することとした。
24年度に入って、インバウンドの回復は目覚ましく、日本政府観光局(JNTO)によると1月の訪日客数が268万8100人であった。COVID-19流行前の2019年1月とほぼ同水準に回復した。能登半島地震の発生で中国や台湾など東アジアを中心に旅行のキャンセルが生じ、中国はコロナ前比で55%の回復に留まっている。主要国23カ国・地域のうち、韓国や台湾、シンガポール、オーストラリア、米国など10カ国・地域で1月として過去最高を記録した。この後も引き続き好調であることから、現在は、各都道府県の宿泊者数、各都道府県のGDP,人口動態、法人税収入等多面的な指標を用いて、データを収集しているところである。その一方で、コロナ禍の国内旅行の意向調査の結果から年代で旅行する意図に差が見られたことから、今年度は海外旅行に関する意向調査を行うため、質問項目のデザインを考察中である。
共同研究者は、これまで東京地区、温泉観光地等で調査を行っている。

今後の研究の推進方策

今後は、定量調査として消費者を対象に海外旅行の意向調査を行う予定である。COVID-19による心理的な影響、特に不安による回避行動の影響が見られるという先行研究もあることから、質問項目を精査し、調査デザインを行う。また、近年、世代の研究が盛んに行われており特にZ世代の消費が観光に及ぼす影響に注目が集まっていることから、年代のみならず、Z世代、Y世代(ミレニアム世代)、X世代といった分析も試みられるようリサーチデザインをいたしたい。また、全国のDMOや都道府県の2次データの収集と分析、定点の聞き取り調査を実施する予定である。2次データでは、都道府県の人口動態、宿泊者数、GDP, 県民所得、法人税収額など指標を設定し、2019年度と2023年度を比較しCOVID-19からの回復状況を明らかにする。結果は、学会への論文投稿を行う予定である。
共同研究者においても24年に入ってインバウンドが順調に伸びていることから再度調査を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

23年度に予定していたDMO対象及び消費者対象の調査で観光消費額や入込客数等のデータ収集がCOVID-19の影響によりできなかったことから1年延長することとした。
24年度は全国各地のDMO及び都道府県の人口、都道府県のGDP、宿泊者数、法人税収等の2次データを収集する。その結果を踏まえ、大きく回復基調にあるDMOへのインタビュー、現地調査を予定している。一方、消費者に対しては、2年前に国内旅行を想定した意向調査を行っており、今回は海外旅行を想定した調査を実施する。質問項目としては計画行動理論に基づき、不安やリスク回避等の影響を検討する。
共同研究者も東京浅草での調査を予定している。尚、調査結果は取り纏めて学会発表、論文投稿を行う。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (5件)

  • [雑誌論文] 「温泉街における新型コロナウイルス感染症5類移行後のレジリエンス~飛騨高山旅館ホテル協同組合と本陣平野屋の事例を中心に~」2024

    • 著者名/発表者名
      中井郷之
    • 雑誌名

      追手門学院大学『地域創造学部紀要第9号』2023年3月

      巻: 9 ページ: 117-128

  • [雑誌論文] 「年中行事イベントによる都市観光地のレジリエンス―浅草・新仲見世商店街の事例―」2023

    • 著者名/発表者名
      稲本恵子
    • 雑誌名

      第38回日本観光研究学会

      巻: 1 ページ: 237-242

  • [学会発表] Study Abroad Program Design from a Positive Psychology Perspective2023

    • 著者名/発表者名
      Joseph Ring, Kunieda Yoshimi, Sakai Sumiko, Osaka Seikei University, Japan
    • 学会等名
      The 4th Barcelona Conference on Education (BCE2023)
    • 国際学会
  • [学会発表] 「年中行事イベントによる都市観光地のレジリエンス―浅草・新仲見世商店街の事例―」2023

    • 著者名/発表者名
      稲本 恵子
    • 学会等名
      第38回日本観光研究学会研究大会
  • [備考] 大阪成蹊大学 国際観光学部 教員紹介

    • URL

      https://research-achievement.osaka-seikei.ac.jp/univ/johokokai/JU0020.aspx?me=U5&opi=JU0010&gn=&key=,,,,,,,2007102

  • [備考] 関西学院大学 研究者詳細

    • URL

      http://researchers.kwansei.ac.jp/view?l=ja&u=145

  • [備考] 阪南大学 研究室・ゼミ

    • URL

      https://www.hannan-u.ac.jp/doctor/i_tourism/simizu/fqpvga0000006jp2.html

  • [備考] 共栄大学 教員一覧

    • URL

      https://www.acoffice.jp/keuhp/KgApp?resId=S000032

  • [備考] 追手門大学 研究者総覧

    • URL

      https://www.gyoseki.otemon.ac.jp/oguhp/KgApp?resId=S001518

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公開日: 2024-12-25  

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