研究課題/領域番号 |
21K12511
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
平山 満紀 明治大学, 文学部, 専任准教授 (50286192)
|
研究分担者 |
パッハー アリス 明治大学, 文学部, 助教 (10899264)
木村 絵里子 日本女子大学, 人間社会学部, 助教 (60710407)
高橋 幸 日本女子大学, 人間社会学部, 研究員 (90865180)
田村 公江 龍谷大学, 社会学部, 教授 (60309119)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | セクシュアリティ / 若者 / インタビュー調査 / ライフヒストリー / 大学生 |
研究実績の概要 |
2021年度には、本インタビュー調査全体のうち、大学生を対象としたインタビューに取り組んだ。文献調査をもとに、インタビュー調査の質問項目やインタビュー方法などを議論して決めた上で、予備調査(8人)を経、質問項目やインタビュー方法を調整して、第一回本調査(25人)を実行し、ついで第二回本調査を途中まで(10人)実施した。研究実施計画では約60人の大学生にインタビューするとしているが、43人に実施を終え、約17人を残している。 質問項目は性に関する子ども期や思春期の頃の考えや体験、現在の性に関する価値観や考え、性関係や性経験などで、一対一での、1回2時間のオンラインインタビューを基本としている。インタビューの録音の文字起こしは、実施した人の分の大半は出来上がった。しかし、文字起こしの外注の費用の一部しかこの科研費ではまかなえず、研究者自身がおこなっているため、研究実施に遅れが生じているのは事実である。 インフォーマントの大学生は、ジェンダー、地域、学部、大学の偏差値レベルなどが偏らないよう、できるだけ母集団の大学生の傾向を反映するサンプリングをしようとしているが、比較的高偏差値や文系、性的マイノリティ当事者や性の権利擁護などの活動に携わる学生が、インフォーマント募集に応じやすく、低偏差値や理系の学生が応募してこないので、2022年4月現在は、特にそのような学生をターゲットに、さらに約17人の参加学生を得るために呼びかけている。 随時オンラインでの研究会をもち、インタビュー実施上の問題を話し合って解決している。語りの内容についても、報告しあい、研究会で共有している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究分担者、研究協力者たちの尽力により、おおむね順調に進展している。 ただし、1回2時間のインタビューの文字起こしは、8時間くらいかかるものだが、文字起こしの外注の費用の一部しかこの科研費ではまかなえず、忙しい研究者自身がおこなっているため、研究実施に遅れが生じているのは事実である。 また、インフォーマント募集に応じる大学生が、高偏差値、文系、性の権利擁護活動に従事している学生などに偏りやすく、そうでない学生のインフォーマントを見つけるのが予想より難しいので、予定より多少時間がかかっている。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は、低偏差値層、理系など、これま得られなかったインフォーマント約17人にインタビューをおこない、その結果を含めた全インタビューデータを、質的データ分析ソフトを用いて、さまざまな点から分析する。その結果について、冬に予定しているウィーンのジグモンドフロイド大学との共同シンポジウムでの報告に向けて、分担しつつ共同で考察していく。併せて、2023年度からインタビュー調査を手掛ける、非大学進学層に関する文献調査も始める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
インタビューの録音の文字起こし作業を、すべて外注するだけの研究費が得られなかったため、研究者自身が文字起こしをおこなっており、多大な時間がかかるために、インタビューの遂行が遅れることになった。 さらに、インフォーマント募集をしたが、理系学生や偏差値レベルが低めの学生の応募がなく、インフォーマント集めが進まないために、インタビューの遂行が多少遅れている。 2022年度には、文字起こし作業を急ぎ、少し遅れているインタビューを実行し、前年度使用額も使用する計画である。
|