研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、人工股関節手術中の関節反力計測のための装置開発、そしてその装置を用いた実測であった。完全ワイヤレス化の装置を作成し、死体を用いた実測も完了できた。最終目的である実際の手術機器としての完成までは達成していないが、十分に使用可能な装置の開発ができたと考えている。現在はこの開発した装置を用いて、死体を用いた計測であれば数を増やすことは可能であり、計測数を増やしていきデータを増やすことを今後は目指す。
生体工学
本研究において、実際に股関節反力を計測した結果、臨床的に問題となっている術後脱臼に関して分かったことがある。例えば、股関節を屈曲内旋させると関節反力が後方プラス下方へ向くため、脱臼が起こりやすいことが数値にて証明されたことである。もう一つは、伸展プラス外旋させると、関節反力が前方へ向くため、前方脱臼が起こりやすいことが数値にて証明された。関節反力の絶対値も重要ではあるが、力の向きが脱臼の有無を判断するうえでは重要であるといえる。