研究課題/領域番号 |
21K13280
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
テキ アライ 信州大学, 学術研究院社会科学系, 講師 (40837572)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 差別 / 雇用関係 / 労働市場 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、労働市場における差別する原因(文化的要因)を定量的かつ明示的に取り上げることを目的としている。この目的を達成するため、中国・ミャンマー国境地域の少数民族社会において、綿密なフィールドワークを実施する。具体的には、調査設計を厳密に行ったうえで調査票を作成し、現地調査を実施して精密なデータベースの構築を進める。その過程で集計できたデータと情報に基づき、下記3つの課題を具体的に解明する。[課題1]では労働市場における同文化・異文化差別の慣習の存続状況を統計する。[課題2]では労働市場にける雇用主と労働者の間の文化的差異を指標化する。[課題3]では、雇用主の同文化・異文化差別慣習の背後に潜む行動原理を経済学の理論で解明する。 今年度は、COVID-19感染症対策により、データ収集は行えず、また、研究協力機関である現地のNGOの事業中止の影響を受け、調査研究の進捗に支障が生じている。ただし、代替措置として、[課題2]についての関連研究に進展がみられた。具体的には、ミャンマーの麻薬代替産業の雇用拡大効果およびその問題点を中心に、国内外の学会・研究会等で報告している。これらの試みは、今後の[課題3](いわゆる差別の度合い)の解明に貢献している。また予備調査については、2019年までに実施したため、現段階は文献レビューを中心に予備的研究を行っている。その成果として、[課題1]と[課題2](雇用者と労働者との間の文化的差異の度合いを数値化した上で文化的差異指標の定量化)に向けて、言語(母語と常用言語)、宗教、農法慣習等の違いに着目し、算出方法を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題の2021年度の実施スケジュールについて、次の3つのステップに分けて計画していた。ステップ①で現地調査の設計を行う。ステップ②では、調査設計に沿って現地調査を2021年8月から9月にかけて実施する。ステップ③については、前述2つのステップに基づき、〈文化的差異-雇用者利潤モデル〉の構築に向けた文献レビューを行う。今年度においては、ステップ3〈文化的差異-雇用者利潤モデル〉の構築に向けた文献レビューを行いながら、[課題2](文化的差異の指標化)に関連する研究の成果を学会で発表し、研究知見を積み上げている。しかし、ステップ①とステップ②の調査研究の部分に関しては、COVID-19感染症対策に関連する出入国及び国内移動の制限により、海外現地調査を実施できず、データが未収集であり、日本国内での資料調査にも限界が生じた。上記の理由により、研究は遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、ミャンマーで活動するNGOの協力の下、アンケート調査に基づくフィールドワークを行うことが必須であるため、COVID-19 感染症対策に関連する出入国の制限がある中、調査地の(再)選定と調査の実施が最大の課題となる。それらの課題を、仮説の設定とそれに基づく調査票の設計等を合わせて、水際措置の一部緩和が期待される2022年度において、進めることとしたい。それに加え、昨年度予定していた同文化差別の存続の調査のほか、COVID-19感染症の影響を含めたアンケート調査を現地NGO等の協力の下で実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染症対策に関連する出入国及び国内移動の制限により、海外フィールドワークおよび日本国内での資料調査に限界が生じたため、旅費等の執行ができず、次年度使用額が生じた。水際措置の一部緩和が期待される2022年度において、国内外における調査研究を至急進めることを計画している。
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