本件研究は,わが国の地方債市場を対象として,その金利が公会計情報にどのように左右されるか,あるいは左右されないかを検証するものである。 わが国の地方債は政府非保証債であるものの,地方公共団体は破産法が適用されないため,破産することがない。このような状況下で地方債金利が会計情報にに左右されるか否かは合意が得られていない。地方債は国債と事実上同リスクであるとする先行研究も存在する。 本件研究は,地方公共団体が開示する公会計情報が,地方債金利と有意な関連性を有することを明らかにした。この結果は,今後のわが国の地方債市場における会計学研究の大きな展開可能性を示すものである。
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