ヒト肝癌由来HepG2細胞において、脂肪酸処理によって細胞内に脂肪滴を蓄積させ、脂肪肝モデル化する条件を確認した。脂肪酸存在下でHepG2細胞をD-アミノ酸で処理し、そのうちD-AlaとD-SerはD体特異的に脂質蓄積を抑制する可能性を示唆した。D-Alaについては遺伝子発現の解析によりその作用機序を一部明らかにした。哺乳動物での効果を確認するため、D-Ala、L-Ala、D-Ser、L-Serを高脂肪食に加え、ラットに与えた。ラットにおいては、D-Ala、D-Ser共に脂肪肝の緩和効果は認められなかった。そのため、D-AlaとD-Serによる抗脂肪肝効果はラットでは生じないことが示唆された。
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