研究課題
若手研究
在宅での医療的ケア児を対象に頭部変形の発症と運動発達との関連を明らかにすることを目的に調査を行った.結果,医療的ケア児の左右非対称な頭部変形は軽症~中等度が多かったが,発症頻度は高かった.また運動発達との関連において,頭部変形が強い群は小さい群に比べ腹臥位,座位,立位の発達が遅延した.このことから,頭部変形が重症な医療ケア児は,腹臥位や抗重力姿勢の発達が遅延していることが多く,背臥位での姿勢にて非対称な外力を頭部に受けやすいことが考えられた.
子ども学および保育学関連 リハビリテーション医学
周産期医療の進歩により,医療的ケア児は増加傾向にあり,これらの多くの児が在宅で過ごすようになっている.医療的ケア児は生命維持,呼吸循環,栄養などの問題に着目がなされるが,近年,頭部変形が発達,視覚や歯のかみ合わせなどへ影響することが指摘されている.本研究の成果は,こうした在宅の現場において,医療従事者や児の保護者にとって,どのような医療的ケア児に頭部変形を生じやすいのか,頭部変形は予防できる可能性があるのかを示した.