最終年度は、コロナ禍が日本で学ぶアジア出身の留学生にどのような影響を与えたかを調査した。具体的には、パンデミック中に日本で学んだ留学生を対象に、現象学的アプローチを用いた半構造的インタビューを実施した。留学の動機、留学中の経験、および留学後のキャリアプランがパンデミックにどのように影響されたかを詳細に考察した。研究結果によると、多くの留学生が財政的な制約、日本語習得の困難、学校への物理的アクセスの問題に直面していることが明らかになった。また、キャンパス内外で提供されるサポートが学生の学習体験に重要な影響を与えていることも確認された。それにもかかわらず、多くの留学生はこれらの困難を克服し、逆境を乗り越えて自己成長を遂げる強さを示している。留学生が直面する課題に対処するために、大学や支援組織が果たすべき役割についても考察した。例えば、オンラインサポートの強化や、言語学習のアクセスを容易にする施策などが挙げられる。これにより、留学生がより良い学習環境とキャリアの機会を得られるよう支援することが重要であると考えられます。
研究期間を通じて、留学生政策と高度外国人材受入れ政策の実際の影響に関する包括的な理解を深めることを目的とした。このため、国、組織、個人という三つの異なるレベルでのデータを収集・分析した。この多角的アプローチにより、政策が留学生および高度外国人材のキャリアと社会的統合に与える影響の詳細が明らかになった。研究結果は国内外の学会で発表され、専門家や研究者との意見交換ができた。また、国内外の学術雑誌に論文を投稿し、広く研究コミュニティとの情報共有を図った。
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