本研究では分子雲の環境(温度・ガス密度・ガス組成・放射線強度など)を観測から知るための手がかりとすべく,分子雲中において異性体が関わる化学反応の 断面積や分岐比を詳細に調べるため,液体窒素温度に冷却した高分解能移動度分析装置の開発を行った.新たに一から組み立てたエレクトロスプレーイオン源によって,アルギニンなどの高分子イオンを生成することが可能になり,移動度分析を行えるイオンの幅が大きく広がった.また,冷凍機の導入と合わせて移動管全体のアライメントを見直し,移動度分析装置のイオンの透過率が改善したことで,移動度分析の時間効率が向上し測定できるイオン種の幅が広がった.
|