本研究課題では、雪崩を引き起こす積雪層内部の弱層形成の要因の一つである降雪結晶に注目し、その理解の推進と防災に資する情報発出につなげるために、非球形粒子を用いた数値堆積実験系を構築した。比較的簡易な非球形粒子形状について、初期の姿勢や速度等が堆積時のマクロな量にどのように影響するか調べた。さらに、モデルで再現が難しい新雪の変態過程を明らかにするために、冬季間の野外観測を実施することで、雪粒子が自然に圧密し、安定化する様子を観測した。また、雪崩発生危険箇所を推定したのちに重要となる、雪崩の流動範囲の図示についての研究も実施した。
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