兵庫県周辺の白亜紀火山岩類は主に陸上に噴火した珪長質の火砕岩を主体とし,砕屑岩はわずかである.本研究では,地質調査及び年代測定から火山岩類の噴出規模の推定を試みた.火山岩類は,基盤岩との境界部が確認できるところでは両者は断層や岩脈を隔てて接することが多く,火山岩類が同一の岩相でまとまって分布することから,多くは当時のカルデラ火山だった可能性が高い.その活動時期については,兵庫県南部では95-72 Ma,中部では84-71 Ma,北部では68-63 MaのジルコンU-Pb年代値を示し,南部では約85-80 Maに,中部では80-74 Maに年代値が集中する.
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