現生生物においてはDNA情報を用いる種同定自動化技術は現在盛んに研究されているものの,形態データにディープラーニングといった人工知能技術を用いた例は非常に限られており,かつ大型化石を種レベルで同定しようという試みは少ない.本研究で使用したイノセラムス類化石は複雑な立体形状を持ち、かつ変形しているなど,形態情報が多い分類群であり,分類のために利用できる情報が限定的で深層学習技術を導入するには比較的悪い条件の対象群であった.これまで「職人技」であった形態種の同定技術をこれまでよりも確実に多くの人が同一の基準を持って実施できるような技術へと変換する技術を提供するものである.
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