本研究では,無藻性単体イシサンゴのセンスガイ科サンゴの2属3種14個体の軟体部の挙動をモニタリングし,生体の概日リズムを明らかにするため,飼育実験を行った. 軟体部の挙動をカイ2条ピリオイドグラム解析した結果,LD・DDのいずれの個体でも,おおよそ24時間の概日リズムが見られた.骨格成長様式の分析においては,隔壁は同心円状に弧を描くように成長しているがそれらは均一ではなく,スポット的に起こっているなど,深海性サンゴの一日単位の具体的な石灰化部位が明らかとなった.今回の軟体部の挙動実験で認められた内因性の自律振動が,骨格形成の周期性に直接的に関与している可能性がある.
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