本研究では,電磁波をシート状の伝送媒体に局在させ電力/信号伝送する2次元通信の技術を基礎とし,従来研究よりも広範囲に渡る給電と,簡易な敷設を可能にする新構造の伝送媒体を研究開発した.従来研究では,長さ10 m程度の給電シート上のどこででも,実用的な給電効率と安全性を両立した無線電力伝送を実験的に確認できていたが,①受電端末が1×0.5 mと大型になること,②電界を主とした結合であるため,水の影響を受けやすく屋外利用に不向きであった.そこで給電シートの構造を見直すことで,給電性能を保ちつつ受電端末を手のひらサイズまで小型化し,かつ水の影響を受けにくい磁場を介した電力伝送に成功した.
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