本研究では,ローリングシャッタ型可視光通信の通信可能領域の拡大を目的とし,(1)重畳繰り返し伝送を用いた通信距離の変化に柔軟な送受信手法および(2)複数カメラを用いた受信信号の選択/合成による通信距離の伸長を検討した.実験結果から,重畳繰り返し伝送は,従来の4-PAMに対して近距離におけるデータレートの低下を抑制しつつ遠距離でのデータ受信の両立を達成し,通信距離の変化に対する柔軟性を提供可能である.また,複数カメラを用いた合成受信においては,単眼カメラ受信で10-2-10-3程度のSERが観測されたのに対し,エラーフリーを達成したことから,通信距離の伸長に寄与することが期待される.
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