曲げ破壊型連層耐震壁の降伏変形評価法を高精度化することを目的に,同部材の脚部に回転変形が集中する要因を定量的に示すべく,縮小試験体2体(パラメータは柱型のせん断補強筋量)の静的繰り返し載荷実験を行い,その際に試験体全体の詳細な変形分布と接合部内の主筋ひずみ分布を計測した。両試験体は変形角1/300程度で引張側壁柱の主筋降伏が生じ,その後せん断補強筋の降伏と共に耐力低下を開始した。降伏変形までにおいては,斜めひび割れの進展とその本数の増大と共に壁脚部近傍の曲率が古典理論解よりも増大し,それに伴いスタブ内部の変形も増大することで,結果として脚部に回転変形が集中することを定量的に示した。
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