本研究では、酸化物セラミックス粒界の熱力学的安定性を原子レベルで解明するため、第一原理計算と機械学習を統合し、高精度・高速で粒界構造および自由エネルギー計算が可能な第一原理粒界熱力学計算法の確立を試みた。まず、第一原理計算データを学習させた人工ニューラルネットワーク(ANN)原子間ポテンシャルを構築し、格子動力学法と分子動力学計算に組み込んだ。そして予測能力を検証するため、まずAlをモデル系として、格子振動モードや高温下でのエネルギーや原子にかかる力の予測能力を検証した。その結果、完全結晶だけでなく粒界原子の格子振動モードも、第一原理計算に近い精度で予測することが可能となった。
|