高い時間・空間分解能を両立した顕微分光手法開発は、ナノスケールで生じる光学現象研究の実現を目指して近年競争が過熱している。その中で、本研究課題の推進により、世界で初めてTHz光電場による分子への電荷注入により単一分子の励起状態を形成して発光を検出することに成功し、更にポンプ・プローブ法を行うことで帯電状態によって誘起される分子振動を観測するという成果をあげることができた。より高効率な有機光デバイスの基礎研究が行われているなかで、励起状態や電荷分離状態のダイナミクスは非常に注目されてるが、本手法はこれらを実験的に観測する扉をひらく研究成果であると言える。
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