研究課題
若手研究
申請者が以前に見いだしていた、Trip-SMe触媒による芳香族ハロゲン化反応を足掛かりとして、新規反応の開発および触媒設計指針を確立するまで研究を展開した。具体的には、①量子化学計算を用いて、分子構造と電荷分布が触媒活性に与える効果を明らかとし、②SCF3化反応など、ハロゲン以外の高反応性カチオン化学種の形成手法を開発し、③計算から得られた情報を基に新たな触媒プラットフォームを探索し、特定のホウ素クラスター分子がイオン性化学種の活性化に有効であることを見出した。
有機化学
本研究の遂行により、機能性に優れた有機分子触媒の開発に向け、新たな設計指針を提案することができた。この成果は有機合成プロセスの効率化に貢献するとともに、従来法では構築の困難であった分子構造へのアクセスを可能とする。こうした観点から、有機光電子デバイスの開発や超分子化学、有機金属化学といった関連分野に波及効果を及ぼすものと期待できる。