研究課題
若手研究
本研究では、単分子磁石(SMM)を用いた超高密度記録デバイスの実現を目指し、新しい薄膜構築法を開発しました。具体的には、ピリジル基を有するフタロシアニン-ポルフィリン-テルビウム錯体をパラジウムイオンと反応させることで、空気-液体界面で高濃度かつ規則的な2次元薄膜を形成しました。この薄膜は、従来の方法よりも高い機械的強度と垂直磁気異方性を示し、分子への化学修飾によって配列を制御可能なことから、情報記憶や量子コンピューティングにおける応用が期待されます。
分子磁性体
究極の小型磁石である単分子磁石をきれいに配列させる技術を開発しました。この手法では、溶液をベースとした省エネルギーな方法で強固な薄膜を作ることが可能です。また、分子の構造を部分的に変化させることで、薄膜の磁性が向上することを見出しました。この薄膜は、データを高密度に記録するための媒体として有望であり、将来的にはより多くのデータを効率的に保存できる技術の実現が期待されます。