本課題は、金属錯体や酵素からなる複合型触媒を調製すること目的とする。採択後、研究代表者が異動した研究室は、加熱融解し、凝固により再度結晶となる配位高分子の合成を得意としている。この材料を利用すれば、より合理的に異種触媒を同時固定し、触媒機能を融合させることができると考えた。プロトン(H+)伝導性配位高分子ガラスに鉄錯体を固定した複合型触媒を調製し、可視光応答型CO2還元反応に用いた。その結果、ガラス膜厚とCO2還元生成物であるCOの収量が比例することが分かった。この結果は、透明なガラス内部に固定された触媒まで光が届いたこと、CO2やH+がガラス膜を輸送されて内部で反応したことを示している。
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